介護職の給料は上がる見通し!岸田首相介護職の賃上げを明言

介護士と車椅子の男性

まだまだ世間では介護職のイメージは悪く、特に賃金に対する処遇が低いというイメージを持っている方がたくさんいらっしゃいます。ここでは、これまでの処遇改善の経過をお話しするとともに、今回の岸田首相の政策など処遇改善の最新情報を発信したいと思います。

岸田首相「分配戦略」における介護職給料アップ政策とは?

まず今回の岸田首相の所信表明の中の一つとして挙げられた、「看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくこと」で、安価に抑えられてきた「公定価格」を見直し賃金を引上げる政策です。賃金の増加によって、介護の世界で働く方が増えることが見込め、消費に繋がることで経済の成長につなげるという狙いがあると思われ、またその財源については、開始となる2月から9月までは補助金や交付金として、それ以降は診療報酬や介護報酬の改定で財源を確保する見込みとなっています。公的価格を見直すというお話も出てきていますが、その場合、介護サービスの利用料や介護保険料の増加が考えられ、国民負担の増加も予想されています。また、そのために公的価格評価検討委員会を設置しました。

公的価格評価検討委員会とは?

(看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やすため、公的価格の在り方を検討する。)

現在上がっている対策案としては

・来年2月より開始の予定
・職種ごとに段階的に上げていく方針
・介護職は9000円程度のアップが見込まれ、最終的には5000円~12000円程度の範囲内で給料アップを行う予定
・介護保険の加入を40歳から30歳に引き下げる

等の案が出ており、依然全産業の平均よりも低い介護福祉士の給料のアップや資質向上及び社会的地位の向上を目指すようになります。

高齢化や介護離職などという言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?これから2025年に向けて、毎年6万人程度の人材を増やしていかないと足りないと言われていますが、いまだに全然足りていません。その要因には、給料が低いということを含めた、介護職の待遇の低さが原因となっています。その一方で、低いと言われる現状でも、2009年以降処遇の改善はかなり行われてきています。

過去に実施された介護職員の処遇改善

介護士と車椅子の女性

介護職の処遇改善は、給料が安いというネガティブなイメージが強くある中で介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備と賃金改善に充てる為に創設され、2009年以降月額約7万5千円の改善が行われてきました。平成23年まで実施されていた、「介護処遇改善交付金」に代わり、平成24年より「介護職員処遇改善加算として、介護報酬での加算へ移行となっています。その後平成27年、29年、30年度の介護報酬改定で見直しが行われ、給料のアップが行われてきました。

令和元年には、介護職員の更なる確保、定着に繋げていく為、経験、技能のある介護職員に重点化しつつ、更なる処遇改善という趣旨のもと「介護職員等特定処遇改善加算」が創設され、この加算では他の職種の処遇改善も行うことが出来るとされました。但しこれは、介護施設で働いていれば、誰でも必ずもらえるというものではありません。加算の取得には要件があり、満たしている要件によって取れる加算が違います。現在はほとんどの施設でこの処遇改善加算を取得していますが、ごく少数の施設ではまだ取得していない所もありますので、働き始めるにあたってはどの加算を取得しているのか確認が必要です。

「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」の特徴

「介護職員処遇改善加算」

5区分に分けられています

加算Ⅰ 介護職員ひとり当たり37,000円/月 の加算を取得できる取得できる

条件はキャリアパス要件Ⅰ,Ⅱ,Ⅲの全て+職場環境など要件を満たすなど

加算Ⅱ 介護職員ひとり当たり27,000円/月 の加算を取得できる取得できる

条件はキャリアパス要件Ⅰ及びⅡ+職場環境など要件を満たすなど

加算Ⅲ 介護職員ひとり当たり15,000円/月 の加算を取得できる取得できる

条件はキャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境など要件を満たすなど

加算Ⅳ 介護職員ひとり当たり13,500円/月 の加算を取得できる取得できる

条件はキャリアパス要件ⅠまたはⅡ+職場環境など要件共に満たさない

加算Ⅴ 介護職員ひとり当たり12,000円/月 の加算を取得できる取得できる

条件はキャリアパス要件Ⅰ,Ⅱも職場環境など要件も満たさない

 

「介護職員等特定処遇改善加算」

まず職員を3つのグループに分けます

A経験・技能のある介護職員 勤続10年以上の介護福祉士が基本で、年数の換算はいくつかの法人を含める等しても良いとされている。
Bその他の介護職員 A以外の介護職員
C介護職員以外の職員 介護職員ではないその他の職員になります

この加算では、Aの中で1人以上は、月額8万円の賃上げ、または年収440万円までの給料増を行う必要があります。特定処遇改善加算に関しては、どのような形で給料アップを行うのかよく検討する必要があります。

介護職員自身で給料アップするには

介護職員

上記のようにこれまでも国の政策として、介護職員の給料アップが行われており、今後も改善されていく予定ですが、介護の仕事はそれ以外にも自分の努力で給料アップを目指すことが出来ます。

介護職員として勤続年数を重ねる

当然介護の仕事でも、他の企業と同じで昇給がありますので、年数を重ねることで毎年給料がアップはすると思いますが、ベテランになれば主任や管理者等責任のある立場になることで給料が上がったり、仕事が認められて特別な手当てが付く場合などもあります。

介護に関連した資格を取得する

介護の仕事は無資格からでも始めることが出来て、どんどんキャリアアップをすることが出来ます。基本的には、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士と取得していく方が多く、国家資格でもある介護福祉士を取得することで資格手当などが付き、給料がアップします。その他にも、認知症専門の資格や地域密着型の施設で必要となる資格など施設の種別によって必要となったり、助けとなる研修を受講することで給料がアップすることもあります。

より良い条件の職場へ転職する

同じ種別の介護施設でも、地域や規模などその施設によって条件は様々です。特に、夜勤や資格などに付く手当が多かったり、少なかったりしますし、上記で説明した処遇改善加算についても、どの加算を取得しているかで年収が大きく変わってきます。本サイトにも介護職員の求人情報を多数掲載しておりますが、そうした求人情報をよく確認して、より良い条件で働ける施設を探すのも、給料アップへの近道となります。

まとめ

冒頭で介護職はネガティブなイメージが強くあると記載しましたが、しかしそれはすこし前のイメージで、今はどんどん改善されていると感じています。確かに、仕事の内容は大変だと思いますし、たくさん給料がもらえているわけではないかもしれませんが、国も処遇改善を考えてくれている中で、自分でキャリアアップすることが可能です。不況の影響も受けにくく、現在のコロナ禍でも比較的しっかり働くことも出来ています。そして、どんなことでもそうですが、知っていることで得することがたくさんあり、知らないことで損をしてしまうこともたくさんあります。介護保険の改定などの情報もしっかりと理解しながら、自分の希望に合った働き方が出来るように理解を深めていきましょう。

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