介護職の夜勤専従という働き方!お得?きつい?メリット・デメリットをご紹介

介護職の夜勤専従について解説します。夜勤専従の仕事内容や勤務時間、勤務回数について、また夜勤のタイムスケジュール事例を紹介。さらに夜勤専従のメリットやデメリットや夜勤専従がおすすめの人についてもお伝えします。

介護職の夜勤専従とは?

夜勤専従は体力的につらいのでは?デメリットの方が多いのでは?と思っている人もいるでしょう。
しかし高収入を得られる点などメリットも少なくありません。

夜勤専従の仕事内容や勤務の実態、夜勤専従のメリットとデメリットを解説します。

介護職としての働き方の一つに、夜勤専従があります。
夜勤専従とは夜間勤務を専門として働くことです。

高齢者が多く入居している施設では、24時間体制の介護サービスが求められます。
そのため夜働くスタッフが不可欠です。

日勤と夜勤の両方を行う一般的な交代制の勤務スタイルと比較すると、夜勤専従は勤務時間や出勤日、仕事内容や収入に違いがあります。

夜勤専従とはどういった働き方なのか、詳しくお伝えします。

夜勤専従の介護職の仕事内容

夜勤専従という働き方があるのは知っていても、詳しくは知らないという人もいるでしょう。
夜勤専従の介護職の仕事内容をはじめ、勤務時間や出勤回数といった働き方についても解説します。

夜勤専従の仕事内容

夜勤専従の主な仕事内容で、夕食や朝食の準備、食事の介助、服薬介助、排せつの介助といった仕事は日中と変わりません。

さらに、寝る前の歯磨きといった寝る準備、着替えなどの起床準備の介助や夜間の見回りがあります。

夜勤専従の場合、施設内の巡回や利用者の安否確認も重要な仕事です。
夜は基本的に利用者は寝ている時間で、何か異変があった場合に周りが気づくということがないため、巡回は欠かせません。

仕事内容において日中と異なるのは、夜勤専従に体操やゲームといったレクリエーションの対応がないことです。

夜勤専従の勤務時間

夜勤専従の勤務時間には、「ロング夜勤」と「ショート夜勤」の2種類があります。

職場によって勤務時間は異なりますが、ロング夜勤の場合は、16時~翌日の9時もしくは10時までの16時間、ショート夜勤は23時~翌日8時の8時間労働、といった時間帯が多いです。

労働基準法では原則1日8時間勤務と決められていますが、介護職の夜勤専従の場合、「変形労働時間制」が適用されるため、長時間勤務が可能です。

【夜勤専従のタイムスケジュールの事例】

16:00(出勤):日勤からの引き継ぎ
17:30(夕食準備):配膳、トイレへの誘導
18:00(夕食):食事の介助・見守り、食事前後の服薬介助
19:00(食後のケア):食事量のチェック、口腔ケア
20:00(就寝前のケア):ベッドへの移乗などの介助、着替え、排せつの介助
21:00(消灯):就寝の声かけ
23:00~5:00(介護記録と巡回):各部屋の見回り(1~2時間おき)、カルテ記入、必要に応じて体位変換や排せつ介助、コールへの対応
※1時間半程度の休憩
6:00(検温・血圧測定):検温・血圧測定、体調チェック、着替え、洗顔・排せつ介助
7:00(朝食準備):配膳
8:00(朝食):食事の介助・見守り、食事前後の服薬介助、口腔ケア
9:00(申し送り):日勤に引き継ぎ
10:00(退勤)

夜勤専従の出勤回数

夜勤専従の出勤回数は最大で月に10~11回程度、週に2~3回のペースです。
1回の勤務時間が長いので、月の勤務回数は少なくなります。

「変形労働時間制」において夜勤専従は1ヵ月の勤務時間を平均して、1週間40時間以内なので、週に2~3日程度の出勤となります。

原則夜勤明けは休みになるので、連日勤務になることはありません。

夜勤専従の介護職のメリット

高収入を得やすいことや交代制より生活リズムが一定であること、休日が多く取れること、ダブルワークができることなど、夜勤専従にはメリットも少なくありません。
それぞれのメリットについて解説します。

高収入を得やすい

夜勤専従の大きなメリットの一つが高収入を得やすいことです。
深夜帯や時間外労働には割増賃金も付きます。

割増賃金には、午後10時~午前5時の時間に仕事をした場合は、時間給(基本給)の25%以上の深夜割増賃金を払う、法定時間外労働(1日8時間以上)は時間給の25%以上の時間外割増賃金を払う、といった決まりがあります。

夜勤専従の場合その両方に該当するので、両方の賃金を受け取ることができるのです。
事業所の中には、25%以上の賃金を出すケースもあり、その場合は給料がより高くなります。

また、事業所によっては割増賃金とは別に「夜間手当」を支給しているケースもあります。
夜勤専従は効率よく収入を得られる働き方と言えます。

交代制と比べて生活リズムが一定

3日連続日勤で1日夜勤、翌日休んでまた日勤、などといった日勤と夜勤の両方で勤務をするシフトは、生活リズムを整えるのが難しいものです。

しかし、夜勤専従の場合勤務時間が一定なので、生活リズムが安定しやすいといったメリットがあります。
日勤と夜勤が混ざるとどうしても不規則な生活になってしまうもの。

生活が不規則だと寝つきが悪くなったり、睡眠不足になったりすることもあります。
睡眠不足になれば疲労を回復させることができません。
疲れが溜まれば体力も失われやすくなります。

食生活も乱れがちになるので、胃腸の調子が悪くなったり便秘をしやすくなったりするなど体調を崩しやすくなることもあるでしょう。

夜勤専従は昼と夜が逆転した生活になりますが、昼間の勤務はないため規則正しい生活ができるのです。

休日が多い

出勤日数が少ないということは、休日が多いということでもあります。
介護職の夜勤は拘束時間が長いこともあり、勤務日の翌日が休みであるだけでなく、その翌日も公休日としている施設が少なくありません。

1回の労働時間が長くても休みが多いので体力も回復しやすく疲れを取る時間もたっぷりあります。
月の出勤回数も少ないので、プライベートの時間も確保しやすいでしょう。

自分の時間が多く取れることで、家族と過ごす時間が増えたり、スキルアップのための勉強をする時間が取れたりするのはうれしいことです。

趣味など自分が自由に過ごせる時間が多いので、リフレッシュするなどストレス解消にもつながります。
連休も多いので旅行などの計画も立てやすいです。

ダブルワークも可能

休日をリフレッシュや勉強の時間に充てることもできますが、増えた休日を利用してダブルワークをすることも可能です。

とにかく仕事をしたい、収入を増やしたいという場合は、昼間勤務をして、さらに夜勤専従のパートをすることもできます。

もちろん、ほかの仕事をすることもできますので、介護の仕事に役立つほかの仕事をしたり、気分転換に全く違う職種を経験したりすることもできます。
違う仕事をすることで視野が広がり、介護の仕事に役立つこともあるでしょう。

ただし、ダブルワークで無理をすれば体調を崩してしまうこともあります。
体調を崩して病気をしたり、ケガをしたりすれば業務に支障をきたすことも考えられます。

そのようなことがないよう、無理をしてダブルワークをせず休息を取るなど、体調管理をしっかりすることが大切です。
また、正社員として働く場合、副業を許可していない施設もあるのでその点は確認しておきましょう。

夜勤専従の介護職のデメリット

高収入が期待できて、休日も多いなどメリットもたくさんある夜勤専従ですが、体力的にきつかったり、緊急時の対応が大変だったり、また未経験では採用されにくかったりとデメリットもあります。
夜勤専従のデメリットについても把握しておきましょう。

体力的にきつい面もある

夜勤専従は1回に16時間ほどの長時間勤務になるため、体力的にきつくなるのは否めません。
休憩時間はありますが、長い時間の勤務は精神的にも負担になるものです。

また、夜勤はスタッフの数が少ないため、一人で身体介護をしなければならないこともあります。

起床時の排せつ介助や就寝時の着替えなどは同じタイミングで介助が必要になり、休む間もなく体を動かしていなければなりません。
その場合も体力が必要になり、腰痛など体への負担もかかるでしょう。

人員が少なく緊急時の対応に不安がある

人員が少ないと体力的にきついだけでなく、施設によっては一人の介護職に現場を任せることもあるなど、精神面においてもプレッシャーになるものです。

特に緊急時などは一人だと不安なものです。

夜は就寝しているので危険なことは少ないと考える人もいるかもしれません。
しかし、徘徊などのほか、トイレに行こうとして転倒したり、ベッドから落ちそうになったり、さまざまなリスクが考えられます。

利用者はいつ急変するかわかりません。
緊急時には一人で臨機応変に対応できる判断力が求められます。

スタッフが少ないと一度にさまざまな対応ができないこともあります。
それを考えると不安やプレッシャーが精神的負担になることも少なくないでしょう。

夜間のリスクを少しでも減らせるようにするには、日勤からの引き継ぎ内容をしっかり確認することや、緊急時の対応についてきちんと把握しておくことが必要です。

未経験や無資格では採用されにくい

夜勤専従のデメリットとして、未経験や無資格の場合採用されにくいという点が挙げられます。
夜勤は昼間の勤務より人員配置が少ないため、トラブルや急変に対応できる知識や経験が必要です。

そのため、一人の介護スタッフの責任が重くなります。
多くは介護職員初任者研修修了以上の資格があり、介護の実務経験がある人を求めています。

一方で、介護福祉士の資格がある、実務経験が豊富、といった介護職は採用されやすいです。

夜勤専従はこんな人におすすめ

十分な体力と少人数体制でも臨機応変に対応できる経験やスキルが求められる夜勤専従は、有資格者で経験豊富な人に向いています。

また高収入を得られることから、給料アップを目指したい人や効率的に収入を得て休日を増やしたい人に向いている働き方です。

家族との時間を増やしたい、自分の時間を確保したい人や日中の仕事とダブルワークをしたい、昼間は学校に通いスキルアップをしたい、という人にもおすすめです。

未経験や資格がない場合、夜勤専従として働くのは難しいと言えます。
夜勤専従として仕事をしたいなら、資格を取得し日勤で経験を積むことから始めましょう。

転職コンサルタントを利用してみる

介護施設において夜勤が必要な職場は多く、夜勤専従の募集は少なくありません。
しかし、利用者の介護度や夜勤体制、給料の金額や手当などは施設によって異なるものです。
希望に合った職場への就職をスムーズにするには、転職コンサルタントを利用するのも方法の一つです。

転職コンサルタントを利用すれば、職場のさまざまな詳しい情報を知ることができ、その中から希望に合った就職をすることが可能です。
自分で探すと同時に、専任のスタッフが希望や経験を考慮し、要望に合った求人を提案してくれます。

また、希望する就職先との連絡や面接などのスケジュール調整もしてくれるので、忙しい人にもおすすめです。

履歴書や職務経歴書の書き方や面接のポイントなど、わからないことや不安な点は相談にのってくれます。
このようなさまざまなサービスを無料で受けることができます。

まとめ

夜勤専従は少ない勤務日数で高収入を得られる働き方です。
ただし、1回の勤務は16時間程度と長くなります。

夜勤はスタッフも少ないため、体力面においても精神的にも負担が大きくなる点は認識しておきましょう。

夜勤専従は休日が増えるため、プライベートの時間を確保でき、ダブルワークをしたりスキルアップのための勉強をしたり、家族と過ごす時間を増やしたりすることができる点は大きなメリットです。

夜勤専従の募集は多く、有資格者で経験豊富であれば採用されやすいでしょう。
効率的に収入を得たいと考えるなら、夜勤専従として働くのも選択肢の一つです。

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